気になるコトバ vol.2 とっつぁんぼうや
こんにちは。arugulaaです。
僕には気になるコトバがあります。
それは「とっつぁんぼうや」。
だって、名詞と形容詞が逆転してないですか??
「とっつぁんぼうや」の意味は
「大人でありながら、要望やしぐさに子供っぽい一面のある人」。(デジタル大辞泉)
(この説明だと、女性にも使えるように見えますが、どうなんですかね?
とっつぁん(=とっちゃん)もぼうやも男性に対して使われる言葉のようだから、
「子供っぽい一面のある男」とした方が適切な気がしますが...)
つまり、端的に言えば「とっつぁんぼうや」=「大人」なわけです。
じゃあ、「とっつぁんぼうや」じゃなくて、「ぼうやとっつぁん」じゃないですか??
というのが、僕の気になっていることです。
ちなみに、「とっつぁんぼうや」および「とっつぁん」は口語的な言い方らしく、
正しくは「とっちゃんぼうや」のようですね。
電子辞書をたたいてみたのですが「とっつぁん」は検索0件でした。
僕の主張の根拠となる考えは、
直接に名詞を形容する場合、形容詞は名詞の前に来る!というものです。
例を挙げてみましょう。
①「楽しい一日」
②「姉さん女房」
①の場合、「一日」を形容する「楽しい」が「一日」の前に来ており、
②の場合も同様に「女房」を形容する「姉さん」が「女房」の前に来ています。
①や②のような形容詞の使い方を「付加的用法」というらしいです。(ブリタニカ国際大百科事典)
英語の「限定用法」(Attributive Use)※と同じ感じですね。
※形容詞が直接名詞についてこれを修飾・限定するもの。
(綿貫陽 ほか,『ロイヤル英文法改訂版』, 旺文社, 2016年, p263)
この考え方を押し広げて、「とっつぁんぼうや」についても考えてみましょう。
繰り返しになりますが、「とっつぁんぼうや」は「大人」です。
そして、彼(とっつぁん)は子供っぽいらしい。
とすると、「ぼうや」は形容詞として働くと考えられるから、やはり
「ぼうやとっつぁん」の方が正しい!ように思えるんですけど、どうなんですかね~..
でもまあ、「ぼうやとっつぁん」の方が正しい!といってみたところで、
埒が明かないので語源を想像してみます。
町の商人みたいな人「おい、聞いたかい。あの酒屋の旦那はいい年なのに博打ばかりやって、それでいてろくに仕事をしやがらねえ。あのとっつぁんはぼうやみたいなもんだ。」
↓↓
「あのとっつぁんはぼうやだ」
↓↓
「とっつぁんぼうや」
「火男」→「ひょっとこ」くらい 眉唾な想像だけど、考えられるのはこれくらいかなあ..
と、まあ、ここまで「とっつぁんぼうや」について色々考えてきたわけですが、
「とっつぁんぼうや」みたいに後ろから名詞を修飾する日本語ってほかにもあるんです
かね?
あったら今までの話はなんだったのか?となるわけですが、英語だと割と普通にありま
すもんね。下の例文だと「strange」が後ろから「nothing」を修飾しています。
Nothing strange happened.(何も変わったことは起こらなかった)(前掲書,p271)
ということで、「とっつぁんぼうや」型、後ろから名詞を修飾するタイプの言葉を探すというのが僕の今後の課題となりました。
それでは、また。